演劇ユニットてがみ座|劇作家 長田 育恵主宰
てがみ座の公演をご紹介します。
2020年2月7日(金)~16日(日) / 東京芸術劇場 シアターウエスト
江戸後期、黒船が泰平の眠りを覚ます少し前————。 お栄は鬼才の絵師・葛飾北斎を父に持ち、物心つく前から絵筆を握ってきた。 幼い頃から北斎工房の一員として、男の弟子たちにも引けを取らずに、代作もこなし枕絵も描いてきた。 けれど本物の絵師になりたいと肝を据えたとき痛感する。 北斎の影から逃れ、自らの絵を掴むには、女である自分を受け入れ、見つめなくてはならないと。 折しも出島からシーボルト一行がやってきて北斎工房に大量の絵を発注する。 百枚の肉筆画を西洋の画法で描くようにと。 絵師たちに新たな風が吹きつける。お栄は、自らの光と闇を見出そうと挑んでいく……。 北斎の異才を受け継ぎ、のちに『夜桜美人図』『吉原格子先之図』を描き出すお栄(応為)、その青春期の物語。 さらに男女の綾を色濃く織りなす、三年ぶりの改訂再演!
2018年6月20日(水)~ 26日(火)/ 紀伊國屋ホール
昭和二〇年八月十五日— 朝鮮半島は、その日を境に「異国」となり、 私たちは「外国人妻」となった。
2017年11月9日(木)~ 19日(日)/ 赤坂 RED/THEATER
2012年上演「青のはて-銀河鉄道前奏曲-」から5年。 彼の地はいつしか「跡地」と呼ばれるようになった。 けれど、そこに吹く風は、絶えず何かを囁き続ける。 5年間の時を呼吸して綴る、もうひとつの「青のはて」。
2016年11月3日(木祝)~11月13日(日) / 座・高円寺1
江戸後期、黒船が泰平の眠りを覚ます少し前————。 お栄は鬼才の絵師・葛飾北斎を父に持ち、物心つく前から絵筆を握ってきた。 幼い頃から北斎工房の一員として、男の弟子たちにも引けを取らずに、代作もこなし枕絵も描いてきた。けれど本物の絵師になりたいと肝を据えたとき痛感する。北斎の影から逃れ、自らの絵を掴むには、女である自分を受け入れ、見つめなくてはならないと。 折しも出島からシーボルト一行がやってきて北斎工房に大量の絵を発注する。 百枚の肉筆画を西洋の画法で描くようにと。 絵師たちに新たな風が吹きつける。お栄は、自らの光と闇を見出そうと挑んでいく……。 北斎の異才を受け継ぎ、のちに『夜桜美人図』『吉原格子先之図』を描き出すお栄(応為)、その青春期の物語。
2016年3月4日(金)~3月30日(水) シアター風姿花伝
レニングラードからケープコッドへ、父の旅。 1999年、サンクトペテルブルク。 冷戦終結から十年、ソ連は崩壊し姿を消した。流れ込んできたのは荒々しいまでの〈自由〉。ロシアは新たな混沌にあった。 この地で暮らす女のもとへアメリカから男がやってくる、 手紙を携えて。 それはかつて〈向こう岸〉へ亡命した父からの手紙だった。 女が手紙を開くとき、傷跡は軋み、サイレンは鳴り、 ぬかるむ土地は語り始める。父の旅を。 詩人ヨシフ・ブロツキーと都市レニングラードの関係性から着想し、 二つの岸辺の間で明滅するものを描く。
2015年10月23日(金)~11月1日(日)東京芸術劇場シアターイースト 演 出 扇田拓也
それは、文字による方舟。 昭和20年春、来るべき本土決戦が声高に叫ばれる街にひとりの男がいた。 男は敗戦の日を正確に予期し、各地の農家を訪ね歩いていた。 この国の命運が尽きるまであと4ヶ月。 「その日」を迎えた暁には、ただちに日本を立て直すために。 昭和初期、渋沢敬三が私財を投じて自宅の敷地内に創った民俗学研究所『屋根裏の博物館(アチック・ミューゼアム)』 そこには多くの研究者たちが集い、それぞれのやり方でこの国を描き留めようと力を尽くした。 けれど、真摯な情熱は、戦時下へ墜ちゆく中で、翻弄され飲み込まれていく……。
2014年11月28日(金)~12月6日(土) シアタートラム 2014年12月12日(金)~12月14日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 演 出 扇田拓也
汽水域:海水と淡水がまじりあう場所
ニホンウナギは日本から3000km先、マリアナ諸島西方で生まれる。 潮流を漂いながら、フィリピン沖で黒潮に乗り、遙かな日本の河川を目指す。 フィリピンの河口でウナギの密漁をしていた、かつての少年は 自らのルーツをもとめて、日本へ向かう潮流に乗る。 過去を問い直すことの根幹にはアイデンティティの探求が必ず含まれている。 今の自分は何者なのか? ――汽水域からアジアを見渡す、ある喪失の物語。
滞在製作:2014年6月9日(月)~ 公演日:6/14・15 劇場:出石 永楽館(兵庫県豊岡市指定文化財) 演 出 扇田拓也(ヒンドゥー五千回) 舞台美術:杉山 至
失踪した乱歩をめぐる幻想追跡奇譚夢の奥にこそ、目を凝らせ。
昭和九年、連載中の小説が一文字も書けなくなった乱歩は、絶望の果て失踪する。 妻 隆子は、行方を追い、乱歩が愛した浅草を訪れる。 待っていたのは傀儡師と人形たち。人形は演じ始める。それは乱歩と隆子自身の物語だった…。「乱歩」という虚名を生き抜く平井太郎と小さな離島で生まれ育った隆子、二人の心の軌跡を描きだす。
公演日 2013年11月20日(水) ~ 24日(日) 劇 場 東京芸術劇場 シアターウエスト 演 出 扇田拓也(ヒンドゥー五千回)
それは、文字による方舟。
昭和20年春、来るべき本土決戦が声高に叫ばれる街にひとりの男がいた。 男は敗戦の日を正確に予期し、各地の農家を訪ね歩いていた。 この国の命運が尽きるまであと4ヶ月。 「その日」を迎えた暁には、ただちに日本を立て直すために。
昭和初期、渋沢敬三が私財を投じて自宅の敷地内に創った民俗学研究所『屋根裏の博物館(アチック・ミューゼアム)』 そこには多くの研究者たちが集い、それぞれのやり方でこの国を描き留めようと力を尽くした。 けれど、真摯な情熱は、戦時下へ墜ちゆく中で、翻弄され飲み込まれていく……。
宮本常一、渋沢敬三。そしてアチック・ミューゼアムをモデルに描く、若き民俗学者たちの葛藤。 記憶されたものだけが記録にとどめられる。そして今、方舟の行方は。
京都公演:2013年7月5日(金) ~ 7月7日(日) 東京公演2013年8月1日(金) ~ 8月4日(日) 京都公演:京都芸術センター共催 東京公演:座・高円寺 日本劇作家協会プログラム10『新しい劇作家シリーズ②』
1930年春、下関。愛する娘を残して26歳で命を絶ったテル。亡くなる前日にはひとり肖像写真を撮った。まるで生きた証を刻み付けるかのように。大正後期に黄金期を迎えた童謡詩の世界で、星のようにひときわ輝いた名がある――「みすゞ」。テルが金子みすゞとして生きたのは、ほんの三年ほどの僅かな時間だった。 路地裏の狭い家に移り住み、「みすゞ」としての筆を絶つテル。夏越まつりのお囃子が、ふるさとの遠い海を連れてくる。漁で栄える小さな町。どんなに胸に描いても、あそこに帰ることは、もうできない。空一杯にこだまする「みすゞ」の残響を掻き消すかのように、ぬかるみを歩き出すテル。 大きな空は喪ったけれど、足下に、水に映る小さな空を見つけた――。 テルが「みすゞ」という名を捨てて自身を綴るように生きた最後の日々。それは言葉にならない、けれどきっと光への詩。
日程:5/8〜12 会場:渋谷 ギャラリー・ルデコ4 出演:福田 温子 今泉 舞 箱田暁史(てがみ座)
いよいよ新緑の季節へ。俳優陣自主企画公演第二弾「春のおたより」をお届けいたします。今回は三人芝居です。ちょっとミスキャスト?と思うような配役です。自分たちの可能性をより広げていきたくて、敢えてチャレンジすることにしました。せりふにできないほんとうの言葉、揺れ動く三人の関係をスリリングに演じられたらと思います。 てがみ座俳優一同
公演日 2012年11月30日(金)~12月3日(月) 劇 場 吉祥寺シアター 演 出 扇田拓也(ヒンドゥー五千回)
1923年7月31日午後9時59分、花巻発。 琴座が天頂に輝くこの時刻、賢治は北へ向かう列車に乗り込んだ。北海道から宗谷海峡を渡り樺太へ。樺太庁鉄道の最北端、栄浜へ。それは、前年に亡くした妹トシの魂の行方をもとめる旅だった。
栄浜から白鳥湖を目指して、闇の中を歩き続ける賢治。 8月3日午後11時15分、盤面(ダイアル)は蒼じろく光り、白鳥座が天頂に達する。天と地の青がひとつに溶け合うその地点、賢治は遙か銀河を見つめた――。
自らの生を捧げて「ほんたうの幸(さいわい)」を求め続けた賢治。 誰より純粋なその祈りは、厳しい寒さや烈風に晒されながらいっそう強靱に磨かれ、やがて後半生の10年をかけ『銀河鉄道の夜』を書き継がせていく。永遠の未完成である物語は、まだ果たされない一つの願い。 喪われた最果ての地を舞台に心の彷徨を描きだす。
[日程] 2012年 8月25日(土)15時☆/19時♪ 26日 (日)14時♪/18時☆ [会場] 江古田 兎亭(うさぎてい) [出演] ☆…今泉 舞×箱田暁史 ♪…福田 温子×箱田暁史
てがみ座次回公演(11月30日~12月3日「青のはて―銀河鉄道前奏曲―」)に先駆けまして、てがみ座の所属俳優陣【尾﨑宇内・福田 温子・今泉 舞・箱田暁史】によるささやかな勉強会を開催いたします。この会は俳優たちによる手作りの企画で、夏のひととき、お客さまと愉しい時間をご一緒できますよう、心を込めてお届けいたします。30席ほどのカフェで、俳優たちの素顔に触れ、近しくお声掛けいただけましたら幸いです。
公演日 2012年1月26日(木)~29日(日) 劇 場 シアタートラム 演 出 扇田 拓也(ヒンドゥー五千回)
シアタートラム・ネクストジェネレーションVOL.4選抜上演 2010年 王子小劇場にて初演した本作がシアタートラム版となって待望の再演。 シアタートラム・ネクストジェネレーションVOL.4にて、46劇団中1劇団のみ選抜され、ネクストジェネレーション史上観客動員一位となった話題作。 昭和9年1月、雑誌執筆中の「悪霊」が書けなくなった乱歩は姿をくらます。乱歩の妻 隆子は行方を追って、乱歩がかつて愛した浅草を訪れる。待っていたのは、傀儡師と生き人形たち。人形たちは演じ始める。それは乱歩と隆子の物語だった……。 隆子は、夢の闇を抜け、乱歩に辿り着けるか?「江戸川乱歩」という虚名が一世風靡する影でもがき続けた平井太郎。小さな離島で生まれ育った妻 隆子。 二人の心の軌跡を描き出す。
公演日 9月14日(水)--19日(月 祝) 劇 場 下北沢「劇」小劇場 演 出 扇田拓也(ヒンドゥー五千回)
1930年春、下関。愛する娘を残して26歳で命を絶ったテル。亡くなる前日にはひとり肖像写真を撮った。まるで生きた証を刻み付けるかのように。大正後期に黄金期を迎えた童謡詩の世界で、星のようにひときわ輝いた名がある――「みすゞ」。テルが金子みすゞとして生きたのは、ほんの三年ほどの僅かな時間だった。 路地裏の狭い家に移り住み、「みすゞ」としての筆を絶つテル。夏越まつりのお囃子が、ふるさとの遠い海を連れてくる。漁で栄える小さな町。どんなに胸に描いても、あそこに帰ることは、もうできない。空一杯にこだまする「みすゞ」の残響を掻き消すかのように、ぬかるみを歩き出すテル。大きな空は喪ったけれど、足下に、水に映る小さな空を見つけた――。 テルが「みすゞ」という名を捨てて自身を綴るように生きた最後の日々。 それは言葉にならない、けれどきっと光への詩。
公演日 4月12日(火)〜18日(月) 劇 場 王子小劇場 演 出 前嶋のの(思考動物)
音楽×詩×芝居で綴る「シリーズ・五線譜」第一弾。 ある朝、一頭の牛が殺された。それがすべての始まりだった。 戦争が始まった国境のほとり、土地と共に生きた牛たちによって語られる、 今は亡き人々の詩。近しい過去、もしくは遠い未来の歌。 国境のほとりに暮らしていた少数民族の双子の少女。 戦争と同時にはじまった迫害で母親と離ればなれになってしまった。 少女たちは心を決める。いつの日かきっとまた再会できる未来を信じて、 なにがあっても生き抜いていくことを。 国境を挟んでそれぞれの道を歩き出した二人が、時を越え、世代を越え、 再び巡りあうまでの物語。
全曲アカペラによる歌とジャンベの生演奏で、より広く深く、ダイナミックに。 創造力豊かに織り上げた、てがみ座初の音楽劇!
公演日 2010年11月3日〜10日 劇 場 王子小劇場 演 出 扇田 拓也(ヒンドゥー五千回)
『シアターアーツ』45号 戯曲全文掲載 2010年 佐藤佐吉賞 優秀主演女優賞・優秀助演男優賞受賞 昭和9年1月、雑誌執筆中の「悪霊」が書けなくなった乱歩は姿をくらます。乱歩の妻 隆子は行方を追って、乱歩がかつて愛した浅草を訪れる。待っていたのは、傀儡師と生き人形たち。人形たちは演じ始める。それは乱歩と隆子の物語だった……。
隆子は、夢の闇を抜け、乱歩に辿り着けるか?「江戸川乱歩」という虚名が一世風靡する影でもがき続けた平井太郎。小さな離島で生まれ育った妻 隆子。 二人の心の軌跡を描き出す。
公演日 2010年4月1日〜4日 演 出 田中 圭介
旗揚げ公演「ありふれた惑星」にて好評の二人芝居「カシオペア」を、体感型リーディングで。日替わりのキャストで贈る、フレッシュなリーディング企画。
【出演】 大場泰正(文学座)×渋谷はるか(文学座) 尾?宇内×福原まゆみ(俳優座) 扇田拓也×大庭 藍(俳優座)
公演日 2010年1月6日〜11日 劇 場 「劇」小劇場 演 出 射延 憲児(CAB DRIVER)
東京にほど近い、河が流れる街。ある一つの事件をきっかけとして、河川敷を取り巻く様々な視座・人間達の肖像がひとつに結ばれていく。 回避できなかった罪・ささやかな未来、人々の心の中にある清濁を飲み込んで、河は夕陽を映しながら流れ続ける……。
ドキュメンタリータッチで丹念に描きだした物語を、演出に、肌理細やかでリアリティ豊かな演出手腕に定評あるCAB DRIVERの射延憲児を迎え、上演。
公演日 2009年6月10日〜14日 劇 場 王子小劇場
2009年 佐藤佐吉賞 優秀舞台美術賞受賞 後援:国際宇宙年2010 日本委員会
『カシオペア』東京の郊外。天文学の若手研究者とその妻が住んでいる部屋。二人は離婚を決め ていた。荷造りの最中、家具を分配することに。夫は、ある提案をする。「家具 を取った方が、一つ秘密を打ち明ける」。初めて言葉にされる思い、蘇る記憶、 溶け出す過去。天文学への夢。二人は静かに絆を再生させていく……。
『鉄屑の空』東京都大田区六郷土手にある潰れかけた町工場。父の跡を継いだ娘は何とか立て 直そうと必死、個性豊かな工員たちも一丸となって戦っている。しかしそこに、 プロレスラーとなった兄が帰ってきて……。かつて国産ロケットの部品を作ってい た町工場の、ものづくりへの誇りを取り戻す奮闘喜劇。
二つの物語がエピローグで結ばれる。 星の光がつなぐ、ささやかな、けれど極上の奇跡。