言葉にならない最後の詩、綴るように生きた日々。
1930年春、下関。愛する娘を残して26歳で命を絶ったテル。
亡くなる前日にはひとり肖像写真を撮った。まるで生きた証を刻み付けるかのように。大正後期に黄金期を迎えた童謡詩の世界で、星のようにひときわ輝いた名がある――「みすゞ」。
テルが金子みすゞとして生きたのは、ほんの三年ほどの僅かな時間だった。
路地裏の狭い家に移り住み、「みすゞ」としての筆を絶つテル。夏越まつりのお囃子が、ふるさとの遠い海を連れてくる。漁で栄える小さな町。どんなに胸に描いても、あそこに帰ることは、もうできない。空一杯にこだまする「みすゞ」の残響を掻き消すかのように、ぬかるみを歩き出すテル。
大きな空は喪ったけれど、足下に、水に映る小さな空を見つけた――。
テルが「みすゞ」という名を捨てて自身を綴るように生きた最後の日々。それは言葉にならない、けれどきっと光への詩。
PHOTO (C) AKI TANAKA
概要
空のハモニカ
2011年9月14日(水)〜9月19日(月・祝)
下北沢「劇」小劇場
出演
尾崎宇内 福田 温子(以上てがみ座)
石村みか 大場泰正(文学座)
新井結香(劇団桟敷童子)宮本翔太(椿組)
美舟ノア 今泉 舞
阿部伸勝 中田春介
公演スタッフ
演出:扇田拓也(ヒンドゥー五千回)
脚本:長田 育恵(てがみ座)
舞台監督:杣谷昌洋
舞台美術:杉山 至+鴉屋
照明:千田 実(CHIDA OFFICE)
音響:余田崇徳
衣裳:吉田健太郎(yu-GEN CRaFTS)
宣伝美術:杉江あき
宣伝写真:田中亜紀
舞台写真:伊藤雅章
撮影:関 肇伸
WEB:高橋典子(RICO STYLE)
手紙:右近金魚
制作:MAICO.、小池芽生
協力:小野和佳子・冨田泰代・福地きょうこ・ダックスープ・椿組・にしすがも創造舎ヒンドゥー五千回・舞台美術研究工房 六尺堂・文学座・(有)ワンダー・プロダクション
タイムテーブル
※開場は開演の30分前です。受付開始は開演の40分前です。
※開演5分前までにお越しいただけない場合は、悪席しかご準備できない場合がございます。
お早目のご来場をお待ちしております。 なお、整理番号は当日受付順になります。
チケット
8月4日(木)発売開始!
前売:3,500円/当日3,800円
☆早割チケット
前売:3,000円
7月18日(月・祝)〜24日(日) 劇団ウェブサイトにて先行発売
7月29日(金)までに指定する銀行口座へお振込いただきます。詳しくは返信メールをご覧ください。
上記のタイムテーブルから直接ご予約できます。
● お電話
090-1706-0061(制作)
てがみ座とは
劇作家 長田 育恵(日本劇作家協会所属・井上ひさし氏に師事)を主宰として2009 年旗揚げ。上演作品に合わせ演出家・俳優をコラボレートするスタイルをとる。心の揺れ動きを見つめ、繊細な言葉、丹念に織り上げられた構成で、圧倒的な共感を紡ぎ出す。
ひとの生命がきらめく、「詩(うた)」が立ち上がるその瞬間を捉えたいと願う。
2010年、尾崎宇内(おざき うだい)と福田 温子(ふくだ あつこ)が加入。
お問合せ
てがみ座ウェブサイト…… http://tegamiza.net/
MAIL…… [PC]info@tegamiza.net
電話 090-1706-0061